クリスマスが近づいてきましたね。
ブロンズ新社前の欅並木でも、
夜になるとイルミネーションが灯り、浮き足立つ私です。
さて先日、子どもの本のつくり手のわたしたちにとって、
ひと足はやいプレゼントのような、
うれしい出来事があったのでご紹介いたします。
ヨシタケシンスケさんの『りんごかもしれない』の
読者であるほあちゃん(小学校6年生)が、
オリジナル絵本『みかんかもしれない』をつくって、
送ってくれたのです。
表紙からして完成度高し。
手彩色、フルカラー32ページで、
最後まできっちり丁寧に仕上げられたこちらの作品。
内容も、ヨシタケさんのオリジナル作品を踏襲しつつ、
しっかりほあちゃん独自のアイデアが加えられていて、
パロディとしてもおみごとです。
で、こういうのって、
たいてい2見開きくらい描いて満足しがちだと思うのですが、
ほあちゃんはやる気。
マニアックな集中力が必要とされるこちらのページも・・・
見事やりきっています!
小6にして、作家魂を感じますねえ。
他のページのクオリティもすばらしく、こいつはすごいね、と
ヨシタケさんにもすぐにお送りしました。
折しも、まさにヨシタケさんの新刊が出たばかり。
ブロンズギャラリーで刊行記念原画展が開催されていたので、
学校がえりにほあちゃんファミリーにいらしていただき、
作家同士ご対面〜、と相成りました。
ヨシタケさんも、自分の作品がきっかけとして
こんなにすてきな絵本をつくってくれたことに、とてもお喜びでした。
「色、ぜんぶ自分でぬってるんだね、僕よりすごいね!」など、
作家さん同士、はずむおはなし。
出した絵本を楽しんでもらうのも勿論ですが、
絵本から刺激を受けて、読者オリジナルのクリエイションに
つながっていくのを知るのは、ほんとうにうれしいもの。
自分の手で、自分だけの作品をつくるって、
本当におもしろいですからね。
「自分の頭で面白いことを考えられたら、世の中は果てしなくおもしろい」
というのは、ヨシタケさんの『りんごかもしれない』のメインテーマです。
ほあちゃんの想像力炸裂の作品を見せてもらって、
『りんごかもしれない』が出せて、しみじみよかったなあと思ったのでした。
これからも楽しんで、いろいろなおもしろいものをつくってね。
どうもありがとうございました。
(編集部・沖本)