こんにちは。
『ぼくのニセモノをつくるには』で
彩色とレイアウトを担当した伊藤です。
ヨシタケさんと編集担当の沖本が、
何度もラフをやりとりして本の内容をかためたあと、
ヨシタケさんがいよいよ本描き(原画を描くこと)に入ります。
その本描きができあがってからが、私の仕事のスタートです。
まず、ヨシタケさんから送られてきた本描きに、パソコンで色をぬります。
その後、本文をフォントでいれて、漢字にはふりがなをふり、
イラストの位置を本文にあわせて少しだけ移動…といったレイアウト作業をします。
「りんご」も「ニセモノ」も
線画を描いている人と、色をつけている人が別々という
絵本ではちょっと珍しいつくりかたをしています。
なので、ときどきこんなことが起こります。
絵をちゃんと理解していないと、色をぬることはできないものです。
そして、時として潔く「ぬらない」と決めることもあります。
(ゴチャゴチャしてしまって、わかりにくくなってしまうので)
ぬったあとでヨシタケさんに確認していただくのですが、
とても寛大なヨシタケさん、修正するところは本当にわずかでした。
自由にぬらせていただいたおかげで
のびのびとイメージをつくっていくことができたのです。
社内ではみんなが難しげな数字や専門用語を操って仕事をしているのに、
「ここは何色がいいのかなー 緑かなー 黄色かなー♪」と
遊んでいるようにしか見えない仕事風景。
原画アップから、印刷所に入稿するまでの約1ヶ月間、
贅沢なぬり絵をとことん楽しんだのでした。