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絵本やイベント情報についてご紹介します。

ペク・ヒナ絵本展がソウルで開催

高さ4m近くあるエントランス壁面を埋め尽くすのは、ペク・ヒナ人形。
韓国を代表する絵本作家で、リンドグレーン記念文学賞受賞作家のペク・ヒナさんの絵本展覧会が、2023年6月から10月まで3カ月以上にわたって、「芸術の殿堂 ハンガラムデザイン美術館」で開催されました。
絵本作家ソロの美術館での原画展は韓国初です。

会場入口で出迎えてくれたのは『お月さんのシャーベット』のおばあちゃん。
(写真提供:Seoul Arts Center

1400㎡もの広い会場には、ペク・ヒナさんの全作品がジオラマになって展示。
絵本制作時の小さな人形から、今回のために約6カ月間かけて作家自身が指揮をとり、つくり上げた大きな作品までが勢揃いしました。

『ぼくはいぬや』で実際に使用された人形たち。
(写真提供:Seoul Arts Center

宙を舞う”カタクチイワシせん”にはテグスが使用されています。
(写真提供:Seoul Arts Center

『天女かあさん』少しひっこみじあんな少年であることが、からだの線の細さや服装からも伝わってきます。
(写真提供:Seoul Arts Center

『天女かあさん』
(写真提供:Seoul Arts Center

うしろ姿も大事といいます。どっしりとした安定感でたのもしさが伝わります。
(写真提供:Seoul Arts Center

セル画の手法で、木を前後に配置して奥行き表現した『あめだま』のセット。展示会用に新たに作成されました。
(写真提供:Seoul Arts Center

『あめだま』本の中では見えない部分も細部を作りこんで再現。どんな暮らしをして、どんな人なのかも、みえてきます。

ペク・ヒナさんの解説を聞きながら展示をめぐる贅沢な時間。

天女さまはやはり、異彩を放つ存在感でした。
(写真提供:Seoul Arts Center

美大の学生たちをアシスタントに、タイル1枚1枚を貼ったという銭湯は大人気。おふろからは、ゆげがあがる仕組みに。
(写真提供:Seoul Arts Center

人形だけでなく、アニメーションの手法を駆使した絵本制作の、一作一作異なる作風で挑戦されてきたクリエイティブな仕事ぶりを、あらためて身近に観ることができる圧倒的な展示空間でした。