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天女絵本第2弾『天女かあさん』がいよいよ発売です !  その1

『天女銭湯』が大人気

韓国で人気No.1の絵本作家といえば、ペク・ヒナさん。
ヤクルトを飲む裸の天女さまの表紙『天女銭湯』は、インパクト大です。
2016年8月発売と同時に、全国の書店員さんたちの間で話題になり、
各地の書店店頭で、ものすごくたくさんの特別ディスプレイが設けられました。
ここで、その愛にあふれた展示のいくつかをお目にかけましょう。





天女のイメージを大きくつがえす表紙人形に、
「なんじゃこれは?」と、書店で目が釘づけになった人も多いはず。
ノスタルジックな銭湯を舞台に、少女ドッチと羽衣をなくした天女さまのやりとりは、ほのぼのと心が温まります。
読後は、ほっこり湯上がり気分。
おかげさまで、1年で3刷の人気絵本になりました !




天女さまの手もかりたい


さて、ペク・ヒナさんの新刊『天女かあさん』は、
大雨の日に、息子ホホが熱を出して、学校から帰されたと
電話が入るところから、物語ははじまります。


すぐにも駆けつけて看病してやりたいのに、
仕事中のママは職場を離れるわけにはいきません。
助けをもとめてあちこちに電話するうち、
混線してつながった先は、なぜか天女さま。


母親のSOSを聞いて、
「こどもが びょうきでは しょうがない。
けったいやけど かあさんに なったげるしかないな」と 
天女さまは空からおりていくことにします。




すみずみに仕掛けられた人形の楽しみ
「いたずら人形作家」を自称するペク・ヒナさんは、
スカルピー粘土を焼いて着色し、何体もの人形の顔をつくりました。
ソウルの街を写真に撮って背景にしたり、
親子の住む部屋、家具、台所用品など、ミニチュアサイズのセットを
すべて手づくりし、人形をおいて撮影しました。
壁にはホホが描いた絵、赤ちゃんのときの額入り写真、
冷蔵庫にカレンダー、花柄の湯沸かしポットなど、
室内の隅々にまでに生活感がにじみ出て、
ペク・ヒナさんのディテールへのこだわりと、
親子の暮らしへのあたたかなまなざしが感じられます。



ホホママのぽっこりおなかもほほえましく、
おやおや、この空気感、どこかで感じたことがあるなと思うのは、
私だけではないでしょう。



ほっこりなごむ大阪言葉
そうです。長谷川義史さんの描く絵本にも、
ペク・ヒナさんと同様の、ゆるやかな暮らしがあたたかく描かれていて、
この2人は「魂の兄妹/ソウル・メイト」では、と思ってしまうのです。
ペク・ヒナさんの世界観を見事な大阪言葉に置きかえた長谷川さん。
日本語に堪能なペク・ヒナさんのお父さんが絶賛したという、
長谷川画伯による翻訳をお楽しみください。




天女さまはお天気を采配する空の神さま?
スミを落として、ソウルに大雨を降らせたかと思うと、
タマゴをスープに溶いて霧をたちこめさせたり、
目玉焼きでお日さまを出して気温を上げたり、
タマゴの白味を牛乳に溶いて雲をつくり雨を降らせる。
天女さまがお天気の左右する仕事をしていることがうかがえ、
見返しにずらりと並んだタマゴの意味が、
読後にわかるというにくい仕掛けです。


ディテールのつくり込みに迫力が増した新作、ペク・ヒナさんの人形絵本を
長谷川義史さんの名訳でお楽しみください。