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第6回ブロンズ新社書店大賞・製本所見学レポート

第6回ブロンズ新社書店大賞リレーブログ、
最後は2日目の大村製本さんでの製本所見学ツアーです!
書店のみなさんと、作家の山本孝さん、アンマサコさん、
はせがわはっちさんでぞろぞろと製本所にお邪魔してきました。
2日目ともなると書店のみなさんの緊張もほぐれ、
作家さんとも距離がちかくなっているようで、
とてもいい雰囲気です。
見学のまえに、まずは手製本の体験からはじまります。

手で作る工程と、製本所内のセクションを
それぞれリンクさせながら見学をするとより理解が深まりますよ!
という大村製本さんの計らいです。
まずは、本の中身をつくります。『紙の目』を確認しながら
1枚ずつ丁寧に折っていきます。

紙の目は本の開きやすさにも影響してくるので単純なようですが、
とても重要な作業です。
折った紙を重ねた真ん中を、ミシンで縫っていきます

服などを縫う工業用ミシンに、V字の受けをつくったものです。
これは、『中ミシン』という綴じかたになります。
すでに本みたいになってきた気がします。


次に、くじの順番で、それぞれお好きな色・柄の表紙を選んだら……
いよいよ表紙と中身(本文)を張り合わせる作業です

レクチャーを受けた後、今回は、山本孝さん、アンマサコさん、
フタバ図書GIGA祇園店の香川さんが代表として挑戦です!
 

刷毛の使い方と、糊の量などかなりコツがいる作業で、
うまくいかないと次のページまでくっついてしまいます。
思わず釘付けになってしまいます。
昔は1冊ずつこうやって作ってたんですね……大変!


さあ!製本工程の記憶が新鮮なうちに!
ここからが製本所見学ツアーです!
さきほどの手順は機械になるとどうなるのでしょう!

 
折りの機械、丁合の機械、すごいはやさで縫われていく本!
さきほど体験した工程が、機械によって素早く、
かつ丁寧にすすめられていきます。
あんまりここで全部みせてしまうのも勿体無いのでこのへんで…。
あ〜、見せたい!
でもでも、生で本が出来ていく様子を見るのはとても興奮しますので、
ぜひ!来年の見学ツアーにご参加を!(書店大賞にご応募を!)
大村製本さんでは、機械をそのまま使うのではなく、
より効率よく丁寧な仕上りになるよう、至る所に工夫がされており、
そのプロ精神にも脱帽です。



↑クオリティを求めるがあまり、
工場長がオリジナルで作った機械もありました。(どういうこと!?)
どの機械も職人さんに丁寧に扱われていますし、
生き物のように働いてくれているなあと感じました。
微調整されている姿は、機械と対話しているようでとてもかっこいいです。

(↑こちらは岩井さんがお使いの表紙にボール紙を貼る機械。
30年以上の年季ですがとても綺麗に使われているので、
いまでもなお美しい!)


最後に、大村製本の斎藤社長が、
「紙は生きものです。だから本はおもしろい。」とお話されていたのが印象的でした。
大村製本さんでは、機械と人の手の絶妙なバランスで、
とても温かみのある、生きた絵本が作られていました。
手製本した世界に一冊の本をお土産に、見学ツアーは終了です。


大村製本のみなさま、今回ツアーにご参加いただいたみなさま、
ありがとうございました!


(編集部 佐古)