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トーベン・クールマンさん来日(1) 精華大学で講義

大学の卒業制作でつくった絵本が出版社の目にとまり、またたくまに22の言語に翻訳され、
世界60カ国で大ブレークしているのが、トーベン・クールマンさんの『リンドバーグ』。
日本の刊行に合わせて、急遽来日していただき、
5月17日(日)、京都精華大学マンガ学部キャラクターデザインコースで、
特別授業が開催されました! 
最初に『リンドバーグ』のPV(プロモーション・ヴィデオ)を披露。
約4分間の映像、編集、音楽のすべてを、たった一人で完成させた力作です。
絵本を構想したときから、映像化を頭に描いていました
(まだの方はブロンズ新社のウェブでぜひ見てください)。





ネズミがコウモリを見て「翼をつけて空を飛ぶ」というひらめきが湧いたことから
物語の核が生まれます。
翼をつけたネズミの絵は、初期段階で100枚以上描いたとか。
物語を発展させたプロセスを、アイコンにして見せてくれました。





20世紀初頭という時代設定が決まったところで、資料収集。
ハンブルクからも多く移民が船に乗って、新大陸アメリカへと向かいました。
当時の街並みや港、人びとの服装などを克明に観察し、古い写真をそのまま絵にするのではなく、
角度を変えて後ろ向きに描くなど、オリジナルな表現に昇華させます。








物語を何度も推敲して、ストーリーボードに整理。





続いてライヴペインティング。エンピツの下書きから、水彩の着色までたった15分。






絵の表現方法や物語をつくる重要性などを説いて、精華大の生徒たちの心をぐっとつかみました。
未来の作家たちをインスパイアした、じつに中身の濃い授業でした!





以下は、生徒たちの感想の抜粋です。


—アナログのライブペイントを見れて、とても嬉しかったです。
映像も雰囲気も音楽も絵も全部めっちゃ好みで、すごく幸せでした〜!


—ライブペイントでの鉛筆の下書きはほんの一部で、
その他はいきなりペン入れしていてすげーって思いました。しかもイーゼルに立てて描いているのに、
なんで曲線があんなに綺麗に描けるんだろう!


—描きたい人物の扮装をして自分の写真を撮り、
それを見ながら描くというお話に、見て描くという事の大切さを改めて感じました。


—ライブペインティング、すごすぎでした!
自分も水彩始めたくなりました!


—動物の柔らかさと機械の硬さが綺麗に合わさった素敵な絵にとても惹かれました。
最初のアイデアスケッチを100枚も描いたという話で、やっぱり描く量も考える量も、
全然違うなぁと思いました。わたしも沢山の絵を描いて上達していきたい。


—あのストーリーを10代の頃から思い描いていたというところから、
もう格の違いのようなものを感じずにはいられませんでした…


—クールマン先生が私達にアドバイスとして言って下さった「諦めない事」。
何事も突き進めば、努力し続ければ、叶うんだなと改めて思いました。


—今日の授業楽しかったです(´∀`*)
個人的にクールマン先生の瞳の色がとても綺麗でときめいてました(笑)


—クールマン先生、名前からしてクールなおじさまなのかなと思ってたら、
可愛い感じのお茶目なお兄さんで、話を聞いててとても楽しかったです!


—ショートムービーをみて、一気に世界観に引き込まれました!
腕時計の内部やネズミの飛行装置などが緻密に描かれていて、調べることの大切さがわかりました!!


—「最後まで自分でモチベーションをあげて、途中でやめずに頑張れ」が
すごく響いています。クールマン先生、vielen dank!




photo by Takafumi Okuda


(W)