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第26回 けんぶち絵本の里大賞 授賞式レポート

北海道の剣淵町にある「絵本の館」で、8月から9月にかけての2カ月間、
来館者のみなさんが投票し、その年の受賞作品を決定する「けんぶち絵本の里大賞」。
このたび応募作品340点の絵本の中から、
ヨシタケシンスケさんの『もう ぬげない』が大賞に選ばれました!

そこで2月19日(日)に剣淵町で行われた授賞式に、
ヨシタケシンスケさんと参加してきました。



こちらが「絵本の館」です。
太陽の光がたっぷりと差し込む室内には、たくさんの絵本。
「こんな場所が近くにあればなぁ」とつぶやいてしまうほど居心地の良い空間です。


授賞式の前のお話の会では、今回受賞された作家さんの読み聞かせや、
作品への思いをお話されます。
ヨシタケさんにも読み聞かせをしていただきました。


会場からは笑いが!読み聞かせ終了後、
「ずっと楽しみにしていました」と来館されたかたがたに声をかけていただき、
ヨシタケさんの人気をあらためて感じます。


そして夕方から授賞式がスタート。


受賞関係者のテーブルの上には、こんな素敵な折り紙が置かれていました。
有志のみなさんが、各受賞作品をモチーフに心をこめて折ってくださったそうで、
クオリティの高さに驚かされます。



けんぶち絵本の里づくり実行委員会委員長で、剣淵町長の早坂さまから、
賞状とトロフィーを受けとるヨシタケさん。
受賞スピーチでは『もう ぬげない』について、
「ふつうの子が、ふつうの毎日のなかで、ふつうに失敗する絵本。
なんでもないことなのに面白い。そんな絵本が作りたかった。」
とお話されました。



式もなかば、本日二度目の読み聞かせをしていただきました。
絵本の館での読み聞かせから打って変わって、聞き手は大人ばかり。
それにも関わらず会場のあちこちから笑い声が聞こえ、
『もう ぬげない』のパワーを目の当たりにしました。


翌日は、受賞作家さんによる剣淵小学校での特別授業です。
ヨシタケさんの担当は、4年生。


絵本作家になった理由や、絵の描きかたなどをお話されます。
「(モチーフを)あえて見ないで描くと、
自分が見ているところと、見ていないところがわかります」とヨシタケさん。



実際に黒板に絵を描いてみます。
ヨシタケさんが絵を描いている最中も、
「すごい!」「うわぁ!」の声が聞こえてきました。
「先生、黒板一生消さないで〜!」とお願いする子も。



授業終了後、クラスの皆さん囲まれ、大人気です!
ヨシタケさんに会えた嬉しさのあまり、泣き出してしまう子もいました。

剣淵小学校の皆さんにとって、
きっとすてきな思い出になったのではないのかな、と思う時間でした。


剣淵町のみなさんに、あたたかく迎えていただいた2日間。
初めて訪れるのにどこかほっとする雰囲気は、
生活のすぐ隣に絵本があるからなのかもしれません。

絵本の館では、受賞作品の原画展が3月20日(月)まで開催中ですので、
お近くにいらっしゃった際はぜひお確かめください。
*詳細はこちら


(広報 今井)