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『あのこのたからもの』発売記念 種村有希子さんインタビュー【後半】

*前半はこちら

 

甥っ子さんの成長とともに絵本作家として育つこと

絵本をつくり始めたときは、子どもとの関わりもそれほどなかったので、自分の感覚をもっと子どもの頃に戻さないと、と思っていました。でも、ちょうど2冊目の絵本(『ようちえんのおひめさま』講談社刊)のときに甥っ子が生まれて、彼が成長するのと同時に、絵本作家として育っている気がします。

よく甥っ子と2人で遊ぶのですが、あるとき一緒にお菓子を食べていたら「(幼稚園の友だちのこと)たたいちゃった。きらいって言っちゃった」と話し始めて。甥っ子は小柄で、周りの子が可愛いと思って、頭を触られたりすることが多かったようです。それが嫌だったみたいで。

「頭さわられるのが嫌だってこと伝えたの?」と聞いたら「言ってない」と。だから「頭さわられて嫌だってことを話したら、たのしく遊べるかもよ」と話しました。

そしたら数日後に「うき(種村さんのこと)の言うとおりにはなしたら、今日はたのしくあそべたよ!」って話してくれました。甥っ子がスキップし始めたので、私も嬉しくて一緒にスキップしましました(笑)。

「わかるわかる」って話すと、甥っ子もうれしそうに「うきもそうだったんだ〜」と言ってくれて。共感することって、子どもにとって安心できるし、頑張れることなんだなと気づきました。

甥っ子と出会って気づいたり、描けるようになったところがたくさんあります。絵本作家になりたての頃は、もう少し客観的に子どものことを見ていたのですが、今は前より子どもの感情に近くなったなと思います。

 

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『あのこのたからもの』より

子どもが感情的になる、2人の喧嘩のシーンでは、子ども特有の言葉がばばばっと出しました。姉との喧嘩のことを思い出したりもしましたよ(笑)。

 

 

絵本で表現したいこと

昔から人の気持ちに興味がありました。気持ちって動くときがわかりますよね。

とくに子どもは、わっと泣いたと思ったら、けらけらと笑ったり。

その鮮やかな変化を描きたいなと思っています。

表現したいことは派手なことではないので、子どもの読者が興味を持つ「動き」に気持ちをのせて描くことが、子どもへ伝わる方法なのだろうなと、作りながら試している感じです。

 

 

『あのこのたからもの』の中で気に入っている場面

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姉に泣いているポーズをとってもらったりしながら、試行錯誤して描いたので、気にいっている場面です。はなちゃんもゆりこちゃんも、友だちと目が合っていないんですよね。あとは、わざと演出した泣き方をしたり。

他にも性格のちがいとか、立場のちがいなどに気をつけて子どもを描いているので、そういうところを見てほしいなと思います。

 

 

(インタビューまとめ  広報 今井)