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『さらじいさん』への推薦コメントをいただきました

古いお皿の不思議な世界を描いた『さらじいさん』(はせがわはっち/作)。

第16回ピンポイント絵本コンペで最優秀賞を受賞した本作ですが、
今回コンペの審査員のみなさまから推薦コメントをいただきました!



ピンポイントギャラリーは、30年近く前から南青山の骨董通りに店を構えています。
通りを歩くと新しいファッションに混じって、古い時代を感じさせるウィンドーが眼を引きます。
絵本コンペ審査で、はっちさんの『さらじいさん』を初めてみた時に、
なぜか「おかえりなさい」というような心持ちになったのは、
毎日見慣れた光景が脳裏にあったからかもしれません。
古伊万里の皿に描かれた仙人のようなおじいさんーその”さらじいさん”にお皿の世界に引き込まれ、
黒猫といっしょに駆け回る。可愛い唐子がたくさん出てきて大賑わい。
古いお皿の中では、タイムスリップして異国に迷いこんでしまったみたい。
現実と想像の世界が入り乱れ、まさに絵本の醍醐味を味わわせてくれます。
この堂々としたデビュー作の誕生に喝采


Pinpoint Gallery オーナー 西須由紀



ピンポイント絵本コンペの審査では最優秀を決めるのに熱い議論が重ねられ、時間がかかるのですが、
第16回では珍しくすんなり決まったように記憶しています。
青磁のお皿がファンタジーの舞台になるというオリジナリティに加え、
明快な絵とテンポのよいストーリーで絵本の完成度は当時抜きんでていました。
ただ、現実世界に戻ってからの展開が惜しい、というのも審査員で一致した意見でした。
受賞展の時には、既に若月さんは出版の意向を示されていたと思います。
約1年半経った今、生まれ変わった『さらじいさん』を拝見しました。
表紙ががらりと変更になっていたり、黒猫のサブストーリー(楽しい!)が加えられたり、
全頁描き直しているようですが、気になっていた点がクリアになり、
的確にブラッシュアップされているので感嘆しました。
はせがわさんが、この見事なデビュー作『さらじいさん』を皮切りに、
これからどんなユニークな絵本をつくられていくのか、楽しみでなりません。        


学研プラス 編集者 木村真



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