弊社から刊行されている絵本の読み聞かせ動画を公開したいとのお問い合わせを、多数いただいております。
なかでも、問い合わせの多い「だるまさん」シリーズを含む、かがくいひろしさんの弊社刊行作品については、生前のかがくいさんのご意向を尊重し、現時点では一律お断りをさせていただいております。
以下、少し長くなりますが、かがくいさんのことばをご紹介します。
「絵本を読む子どもたちには、笑っていてほしいと思っています(笑えなくても心の中で)。そして、その絵本を一緒に読んでいる大人の人も。笑いは、たとえその時一瞬であっても、生きるパワーを与えられるということを聞いたことがあります。また、人間の特性の一つとして、笑いの感情を他の人と共有できる、つまり一緒に楽しんで笑えるということがあるそうです。今、子どもたちの先を考えると、夢を描きにくくたいへんな時代だと思います。でも、私は、こういうしんどいときにこそ悲しい絵本ではなく、踏ん張って笑える絵本を作っていきたいと思っています。(中略)
絵本は、こう読まなければならないなんて決まりはないんだと思います。酔っ払っている時には酒くさい声のままで、疲れている時には眠そうな声のままでいいんだと思います。「おとうさん、口くさーい」とか「お母さん そこ間違えてるー」とか文句を言いながらも、子どもは知っています。ビデオの映像のように画一的な同じ声ではなく、お父さんやお母さんの声が毎日違うことを。そして、疲れてしんどい時にも、子どもと一緒に時を過ごそうと絵本を読んでくれていることを。どんな時代がこようとも、子どもの笑い声を聴きながら、踏ん張って歩いていきましょうね」
※楽天ブックス著者インタビューより抜粋
今は、まさに大変な状況ではありますが、とくにちいさな赤ちゃんのための本は、目の前のその子を大切に思うだれかが、肉声で読んであげてほしいと、わたしたちは考えています。
ほんの短い期間でも、絵本をよんで一緒に笑った経験は、その子の読書のとびらをひらいてくれます。
そしてまもなく、その子はひとりで本を読むようになるでしょう。
本を読んで、自分の頭で考える習慣は、その後の人生を支える大きな助けになってくれます。
わたしたちは、いつもそのことを願いながら絵本を出版しています。
このような思いで、許諾できない作品についてはお断りのご連絡を差し上げております。
代わりに、みなさまに楽しんでもらえるものをご提供できないかと考え、かがくいひろしさんのとっておきの動画「手あそびげきじょう」を、期間限定で特別配信することにいたしました。
かがくいひろしの手あそびげきじょう「マイクカバーのかえるのがっしょう」
かがくいさんは、50歳で絵本作家としてデビューされる前からずっと、特別支援学級の教員をされていました。
生涯を通じて、子どもをたのしませる名手だったかがくいさんのユーモアたっぷりの動画で、
みなさんが少しでも笑顔になることを、わたしたちは願っています。
笑って元気を取り戻し、もし余力があるのなら、絵本を読んでみてください。
絵本には、子どもの本のつくり手たちの、想いと愛情がつまっています。
楽天ブッ