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もっと知りたい ヨシタケシンスケさん<2>

絵本『りんごかもしれない』、発売間近!

シ●ダシンスケでも、タナ●ヨシタケでもない、
人気イラストレーター・ヨシタケシンスケに迫る、インタビューの第2回。


★第1回はコチラ → CLICK!!


ヨシタケさん、昼はアトリエに所属して造形の仕事をしていて、
イラストは、夜帰宅してから描いているんだそうです! 詳しく伺いました。


* * *


――ふだんのお仕事は、具体的にはどんなことをされていますか?


ヨシタケ 昼は、造形の仕事です。コマ撮りアニメの人形をつくっていて、背景の美術などもをつくっています。
夜、帰ってからイラストを描いています。もともと、イラストの仕事はするつもりはなかったんですけど、
最初の本『しかもフタがない』(パルコ出版)を見た編集者の方が、
ぼくのことを「イラストレーターなんだ!」って思って、お仕事をいただけるようになりました。
イラストレーターとしての営業活動って、実は何もしていないんですけど、
かれこれ7〜8年やらせていただいていますね。


――造形とイラスト(絵)のお仕事、「二足のわらじ」は大変ではないですか?


ヨシタケ そうですねえ、こんなつもりじゃなかったんでね。笑。
ただまあ、どっちも好きなんですよ。
昼間(造形)の仕事は、もともと手を動かして物をつくるのが好きだったので、作業自体は好きですね。
造形の仕事は、3人のチームワークでやってるんです。
コマ撮りアニメなどの映像の仕事では、それぞれアイディアを出し合いながらやるんですけど、
最終的なディレクションは監督がやるので、ぼくはわりと発注される側に近いですね。
言われたことをそのままやることも多いですね。
反対に、イラストの仕事は、個人でやっています。
全部自分で決めるので、造形の仕事とは、使う頭が全然違いますね。
誰にも相談しないでやっているので、気もち的にも棲み分けはできてますね。
昼間の仕事で思い通りにいかなくても別にいいっていうか。笑。

     


――えー!笑。「カタルシスは夜おきる」って感じですか?
カタルシス:しこりや抑圧された感情を、行動などで消失させること


ヨシタケ そうそう。笑。絵の仕事では、自分の好きなことができるので、
造形の仕事では「技術屋さん」としてわり切ってやっています。
それが両方の仕事にとっていいことだと思っていて。
とはいえ、ペース配分をちゃんとしないといけないんですけどね。
でも、今回絵本を出させていただいたことで、今後いろいろやってみたいなと思いましたよ。
これから、絵の仕事で、本をいっぱいつくっていきたいな、というのはありますね。


――次に進んでいる企画(今はナイショ!)も、かなり面白いので、
個人的には絵本をどんどん描いてほしいと思っているのですが。


ヨシタケ いま、(ブロンズの)みなさんに興味をもっていただいているうちに、
次をつくらないとっていう気もちがあるので、がんばってやらせていただきたいなと思っています。
今やっているのは、本の挿絵やビジネス書のカットなどの手離れの良い仕事が多いので、
本1冊描きおろすような、大きいボリュームの仕事が受けられないんですよね。
でも、それだと、あとに残らないのがさみしいと思うところもあって。今後は、ちゃんとあとにも残って、
自分も人に胸を張って出せるようなものをやっていきたいな、って思いますね。


――きっと今回、ブロンズ新社から絵本が出版されることで、絵本業界が注目すると思うんですよね。


ヨシタケ そうですよね。笑。絵本が1冊できあがると、前例ができますからね。
今後、「自分がどうしていくのか」ということも含めて、すごく楽しみですね。


     


――話は変わりますが、お名前の表記がカタカナですが、こだわりがあるのですか?


ヨシタケ なんでだったっけなー? 自分でも忘れちゃったんですけど。笑。
立体造形はじめたときに、アーティストネームをカタカナで書きはじめたんですよね。
特に理由はないんですけど、ぼくが大学生のころ、現代美術家ヤノベケンジさんがデビューされて、
その方(の名前表記)が、カタカナなんですよ。
たぶん、それを真似したんじゃないですかね。笑。


――なるほど!笑。
はじめにカタカナでスタートしたから、それからずっとってことですか?


ヨシタケ そうですね。本名を、ただカタカナにしただけなんですけど。
どういうわけか、カッコイイと思ったんでしょうね〜。笑。
そういえば、前に二人組だと思われたことがあって。


――え?「ヨシタケさん」と「シンスケさん」ってことですか?笑。


ヨシタケ そうです、そうです。「両方です」って答えました。笑。
造形の仕事は本名、漢字のほうでやっていて、
絵を仕事ではカタカナで、っていうやんわりとした使い分けですね。


* * *


インタビュー開始からだいぶ時間がたち、ヨシタケさんのパーソナルなところまで
つっこんで聞けるような度胸がついてきた、広報・まつや。笑。
このあと、さらに切り込んでいって、ご家族のことや学生時代のころのお話をお伺いしました。
“ネガティブなヨシタケさん”に迫ります。次回もご期待ください!【続】


(広報・まつや)