ブロンズ新社公式ブログ

絵本やイベント情報についてご紹介します。

『うきわねこ』印刷してきました!

いやはや暑いですね。
こうも暑いと、うきわに乗って夜の空を散歩したくなりますね。
ということで、刷ってきました、こちらの絵本。





制作期間5年以上を費やした、自信作。

詩人の蜂飼耳さん書き下ろしの味わい深い物語に、
画家の牧野千穂さんが、これ以上ないくらい
ぴったりの絵を描き出してくれました。


奥行き、空気感、湿度、肌触り・・・
まるで世界の入り口であるかのような、牧野さんの原画。
すっぽり絵の中に入っていけそうな錯覚を、
この絵本をつくっている間、何度抱いたことでしょう。



そんな絵を、この、黒、青、赤、黄色の、
たった4色のインクだけで再現しようってんですから、
そりゃあもう、大仕事。


当日は、製版担当者さん、印刷担当者さん達、
印刷営業さん、編集長に私と、本気の部隊編成。
ハイデルベルグ先生(ドイツの印刷機)、ご準備よろしいですか?
今日はひとつよろしくお願いしますよ。


何度も色校正を繰り返し、原画に近づけてきた版。
立ち会い印刷では、印刷機の前で最終の調整をしていきます。




写真ではちょっとわかりづらいかもしれませんが、
奥の森が調整を加えたもの。
手前に比べて、木々の緑がぐっと存在感と深みを増しています。
こうした色味の僅かな差で、絵本の世界の密度が全然変わってきます。


朝9時から始まった印刷立ち会いが終了したのは夜の8時。
刷りのプロ、製版のプロたちの妥協ゼロの仕事っぷりに支えられ、
原画の魔力が、なんとか、紙に、宿ってくれた、ような・・・?
ふー。みなさまお疲れさまでした。



こちらは、ブロンズ新社の絵本づくりに欠かせないお方、
吉原印刷製版部の佐藤さん。またの名を「色の神さま」。

今回も牧野さんの繊細なパステル画を、
あの手この手で、紙の上にインクで再現してくれました。
いつもありがとうございます。



はぁー。刷り上がりはいつ見ても、いい眺め。
神々しく輝いているではありませんか。
みなさん、きれいに製本してもらうんですよ。


魔法のかかった絵本『うきわねこ』、いよいよ7月刊行です。
月夜にたゆたう、ひんやりとした夜の海も出てきますから、
絵本の世界に避暑にいらしていただくのもまた一興。

体ごと、すうっと絵本の世界に入りこむ感覚を、
みなさまぜひ、一度体験してみて下さいね。


(編集部・沖本)