ブロンズ新社公式ブログ

絵本やイベント情報についてご紹介します。

『ジャッキーのおかしブック』印刷レポート!

いよいよ昨日、配本になりました!
くまのがっこうの最新刊
『ジャッキーのおかしブック』。
かわいいレシピとイラストがたくさん入った
ファン必見の実用書・新シリーズです。


今日はこの本の印刷をしてくださった
吉原印刷さんを、ご紹介したいと思います〜!
印刷所のみなさまは、ふだん表には出てこないけれど
本づくりの過程で、縁の下の力持ちになってくださる
私たちに出版社にとって、とても大切な存在です。



7月某日・・・・
担当編集は
朝9時半、新潟は長岡駅へおりたちました。
そう、吉原印刷さんは長岡市にあるのです!


ここが吉原印刷・・・



吉原さんは不況をものともせず
立派な社屋がどんどん拡大中・・・
以前お邪魔した時より、また印刷場が広くなりました!


到着したらすぐに
印刷機のもとへかけつけます。
今日は『ジャッキーのおかしブック』の印刷に
終日付き添う「印刷立ち会い」の日なのです。


今日1日、ここが勝負の場所。
これが、本日活躍してくれる印刷機です!


紙へのカラー印刷の色は、一般的に
赤・青・黄・黒の4色のインクの組み合わせだけで
作られているってごぞんじでしたか?
例外はありますが、多くはこの4色印刷で刷られています。


印刷機に8つの塔が立っているのがわかるでしょうか。
ここにインクが入っています。
この印刷機は、
紙の裏・表それぞれ4色ずつ、同時に刷る事ができる
8色機といいます。



左の佐藤さんは、イラストをスキャンして、
綺麗に刷れるように調整してくださる方。
きれいに絵を再現する為には、まさに職人技の調整が必要です。
印刷にかかるまでに何度もやりとりして調整をかさね、
ついに本番の今日・・・
佐藤さんも今日1日、印刷に立ち会ってくださるのです。
右は、本文ページの印刷を担当してくださる大橋さん。




こちらはカバーの印刷を担当してくださった小川さん。


印刷機のインクの具合を、下のボタンで調整します。
数センチ幅で増減できるので、慎重に色を合わせていきます。


まだちょっと色が薄いみたいだゾ・・・
全体をもう少し濃くしてみよう。
顔の部分の色がちょっと暗いから、
ここだけ青いインクを、すこーしだけ減らしてみようか・・・


なんて意見を出し合いながら、調整していきます。
編集も納得がいくまで、ゴーサインは出せません。



こちらは懐かしの黒板消しクリーナー!
・・ではなく濃度計という機械です。
印刷の濃度を計測する機械で、お値段な、なんと・・80万円!!
そんなに高価なものとは知らなかった。
触らないようにしなくちゃ・・・
でもこの子のおかげで、見ためや勘だけでない
数値的なヒントが得られます。
最後は、人の目が大切ですが
こういった機械の手も借りて、色を理想に近づけます。



こちらは拡大鏡
印刷は、よ〜く見ると
小さなインクの点々がたくさん集まって、色を表現しています。
赤いイチゴの写真は、拡大してみると
赤い点と黄色い点と、影の部分には青い点なども入っていて
その点の濃度や、大きさのバランスで
どんどん色がかわります。
うまく色がでない時は拡大鏡とにらめっこして
理由をさぐります。


色にゴーサインが出ると、刷り上がるまでしばし待ちます。
今回の本は、1枚の紙に16ページが入りますので
4回、この色合わせをすることになるのです。
カバーや表紙、表紙の内側にある見返しもありますから
こんな風に色を調整しながら印刷すると
まる1日がかり!
(この日は朝の10時から夜21時まで立ち会いました)



「おつかれさま〜!」
営業担当の吉原さんは東京にいることが多いので
待っている間にお食事におつきあいくださったのは
吉原名物・元気印の吉原専務です。
私の新潟の母・・・
人生相談にのっていただくことも!
お話しているだけで、元気が出てくる
吉原専務は名言の宝庫です。


では印刷があがってくるまで
吉原印刷さんを見学させてもらいましょう〜


ここは、さきほど登場した佐藤さんが
画像を調整するお部屋・・・

そのための専用の調光がなされていて、
外からの影響が少ないよう、仕切られた空間になっています。
どうすれば色を再現できるか、
東京と新潟で電話でディスカッションすることもしばしば・・・
いつもありがとうございます。


ここは、ただのオフィス??
いいえ、違います。
ブロンズ新社の編集部にとっては
仏の住む都・・愛の国ガンダーラです(古い)。

こちらは原稿の、レイアウトや
文字の修正などを担当してくださるDTPの部署。
印刷直前まで、編集部がお世話になるみなさんです。
夜遅くまで、ファックスやメールでやりとりしながら
辛抱強くおつきあいいだいています。


今回のおかしブックはレシピ集。
レシピ開発をしてくださった山本ゆりこさんと
編集部が総出で何度も校正して
テキストをつくりあげていきます。
そう・・・吉原印刷さんに入稿してからも・・


「すみません、これで多分最後だと思います」
「ごめんなさい! もうほんとに最後のファックスです」
と謝りたおして修正を重ね、やっと校了したのに・・・
下版直前、やっぱり修正が出てしまいました。
(ダメ編集者・・・)


小さな声で、DTPご担当の渡辺さんに電話します。
「申し訳ありません・・
 この後におよんで修正が出てしまいました・・」


しかし! 
ご担当の渡辺さんは、
どんな時でも、沈着冷静な声で、
「わかりました」と請け負ってくださる。
(大抵は・・)
ほんとうにありがたいことです。


夜更けの編集部、長岡方面にむかい
手と手を静かに合わせる私の姿が・・・
渡辺さんを本気で怒らせるようなことがあった時は私、
長岡名物の花火とともに、夜空に散りたいと思います。。。


さて、下版とはなんでしょう?
それは、今まで作りあげてきた原稿を
いよいよ印刷するべく版に焼くことです。


こんな機械の中に・・・

このような光り輝く銀の板が・・・

ここに、印刷の色ごとに、版を焼き付けるのですね。
先ほどご説明した
赤・青・黄・黒の版をそれぞれ焼いて
印刷機の8つの塔に
1つずつセットし、重ねて印刷すると・・・
あら不思議! 美しい絵が姿を現すのです。


この印刷立ち会いの日を迎えるまでにも
たくさんのドラマがあるのです。



くまのがっこうの絵を描いてくださっている
あだちなみさんは、とても色を大切にしています。
きれいな色の組み合わせは、
くまのがっこうシリーズのチャームポイント。
色はこのシリーズの命なのです。


さてさて、新刊がそろそろ店頭に並ぶころ・・・



じゃじゃーーーーん!
お菓子みたいな、キュートな1冊がついに誕生!



吉原印刷さん、ありがとうございました!
(製本してくださった田中製本さんや
デザインしてくださった坂川さんのお話は、
またこんど・・・)


みんなの力がひとつになってできあがった、
くまのがっこうシリーズの最新刊
『ジャッキーのおかしブック』。
書店さんで見かけたら、ぜひ手にとってくださいね。


コードネーム N・ホワイトでした〜☆