絵本ではありません。これは、子どもの権利について、絵本作家・五味太郎さんが考察をめぐらせた本です。人権について書かれているので、大人が読んでも参考になる事項が書かれていますし、大人が子どもに対してしてはいけないことにも言及されています。30年前に出版した本ですが、古びないどころか、むしろ、変動する今にこそ、ググッと心につきささる貴重な一冊です。子どもたちの50の質問に五味さんが答える形式で、該当する法律も押さえています。タイトルには、五味さんの意気込みが込められています。
自分でやるしかありません。自分で考え、自分で悩み、自分でしかり、自分をはげまし、そして自分を可愛がってゆくしかないのです。そのために、結構きつい問題でもなんとかこなせる〈じょうぶな頭〉と、好きは好き、嫌いは嫌いとはっきりわかる〈かしこい体〉が必要なんだろうと思います。
(あとがきより抜粋)
この画期的なタイトルを、五味さんはお風呂でひらめいたそうです。エウレカ !
これからリレーブログで、少しずつ、ブロンズの編集部員が、本書の魅力を紹介していきます。こんな素敵な目次が並んでいますよ。
ぼく 算数がきらいだ ! 算数ができないと人生はダメか
何をしたいのか 自分でよくわからないんだ 目的に向かって進む以外ないのか
学校には 行かなくちゃいけないの? 義務教育について考える etc.
(若)
本書は、1991年に小社より出版した『じょうぶな頭とかしこい体になるために』から、諸データを更新して判型を変えた新装版です。
A5変形判 192ページ 上製 定価=1400円+税