ブロンズ新社公式ブログ

絵本やイベント情報についてご紹介します。

第7回ブロンズ新社書店大賞 祝賀パーティーレポート

授賞式のあとは場所を移し、祝賀パーティーを行いました。

あべ弘士さんに乾杯のご発声を頂戴し、楽しいパーティーの始まりです!

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会場となったeatrip様は、ブロンズ新社から徒歩1分のところにあるレストランです。

 

原宿であることを忘れてしまうような温かく心安らぐ空間と、

食材にもこだわって作られている色鮮やかで美味しいお料理に、

授賞式では緊張したご様子だったみなさまにも笑顔がこぼれます。

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普段なかなかお会いする機会のない著者のみなさまや、

他の書店の方ともたくさんお話いただき、

みなさまとても楽しそうに過ごされていました。

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著者のみなさまにお一人ずつご挨拶いただいたあとは、祝賀パーティーの恒例となりましたゲームの時間です。

 

今回は新しいゲームが登場しました。

その名も、「おでこはめっこ」!

 

鈴木のりたけさんの『おでこはめえほん① けっこんしき』を一人1冊ずつ持っていただき、掛け声に合わせておでこはめ!

 

のりたけさんと同じページをはめていた方が勝ち残り、最後まで残った3名の方には豪華賞品をプレゼントいたします。

 

今回のために結成された「おでこはめ楽団」の演奏に合わせて、新ゲーム「おでこはめっこ」スタート!

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さぁみなさん、用意はいいですかー?

 

せーのっ!

 

~ 書店さーん 書店さーん

おでこはめっこしーましょ

    一緒なーら 勝ーちよ あっぷっぷ♪ ~

  (※にらめっこの歌のメロディーで)

 

 

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一人勝ち抜けの方がいたり、逆にページが同じでなかなか決まらなかったりと、熱戦が繰り広げられとても盛り上がりました。

 

そんな熾烈な戦いを勝ち抜いた三名の方には、お越し頂いた著者の方々のサインの寄せ書きをプレゼント!

 

おめでとうございます!

ぜひ飾ってくださいねー。

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楽しい時間はあっという間。書店大賞の2日目は大盛況のうちに終了しました。

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次回は2日目の製本所見学の様子をお伝えいたします。

どうぞお楽しみに!

 

(営業部 大村)

 

 


 

 

 

 

第7回ブロンズ新社書店大賞・授賞式レポート

先日、ブロンズ新社書店大賞の授賞式を開催をとり行いました。
今回から新しく2つの賞が加わり、いつも以上ににぎやかな式となりました。

★入賞店はコチラ→CLICK!

 

ディスプレイ部門のグランプリを飾ったのは、よしのや本間仙台愛子店さま。
今まで二度準グランプリを受賞され、今回念願の受賞となりました。
発売のずっと前から『あめだま』にご注目いただいたそうで、ディスプレイから思い入れを感じます。

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ベストPOP賞に輝いたのは、紀伊國屋書店横浜店さま。
「絵本はこんな読みかたができるのか」と、毎回ハッとさせられるPOPを手がけて下さるのが印象的です。

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新しく設立した「ラブレター賞」では、ふだんなかなか伝える機会のない作家さんや作品への想いを綴っていただきます。
今回は「だるまさんシリーズ」とヨシタケシンスケさんへのお手紙を選ばせていただきました。
思いのこもったお手紙に、書店員のみなさんがふだんどんな気持ちで絵本と接していらっしゃるのかを垣間見ました。

 

新設のパッション部門リスペクト賞は、情熱をもって活動されている書店員さんへの敬意を表彰するための賞です。
当日は営業担当から、書店さまへ日頃の感謝や想いを伝えました。
受賞スピーチでは、40年近く児童書を担当されている高木さまから、書店員のみなさまへのエールを。そして、久美堂小田急店の小川さまは「入社してからひとりで児童書をまかされ、こうして頑張っている姿を見てくれるかたがいるととても嬉しく思います」と涙ながらにお話されました。

 

同部門のパッション賞では、群馬県高崎市で絵本を広げるべく原画展の開催やイベントの運用など積極的に活動されている「絵本と童話 本の家、NPO時をつむぐ会」さまが受賞。25年前に高崎市で絵本原画展をはじめられたエピソードなど、お話されました。

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昨年のたかさき絵本フェスティバル「かこさとし展 未来のだるまちゃんへ」の様子。

 

 「ひとりで戦っているような気持ちがあったけれど、これだけ全国に仲間がいるのかと幸せな気持ちになった」とある書店のかたがお話されていたのが印象的で、授賞式のような場を設けることができ、あらためて嬉しく思います。
長年第一線で児童書に関わられているかた、担当になられたばかりのかた、そして担当を離れてしまわれるかたなど事情は様々ですが、ご参加いただいたみなさま児童書が好きで、読者に伝えるべく力を尽くして下さっているのだと感じました。

 

式には、今回もたくさんの作家さんにご参加いただきました。

あいはらひろゆき様、あだちなみ様、あべ弘士様、石井睦美様、鈴木のりたけ様、tupera tupera 亀山達矢様、布川愛子様ヨシタケシンスケ様(五十音順)

 

受賞者のみなさんはもちろん、作家のみなさんにとっても、すてきな1日となっていたらと思います。

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次回は祝賀パーティのレポートをお届けします。
お楽しみに。

 

(広報 今井)

営業部に愛されるさくらこさんのおはなし

 

結局、東京に雪はふりませんでしたね。

今日なんか、寒いなかにも春のきざし。コートもそろそろ飽きてきました。

 

さてさて、なんだか仕事がうまいこと進まずに、

殺伐としていたわたしの心を、一瞬で溶かしてくれたものがありましてね、

それをちょっと、みなさまにも「おすそわけ」いたします。

 

それはね・・・

 

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おやおや? 全然版元らしくない、あの謎の一角はなにかしら?

 

こちらですよー!

 

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営業部一丸制作(部長含)のさくらこたち。思い思いのポーズでしずかに乾燥中。

 

この立体さくらこさんは、営業部女子のハシモトさんが考えてくれたのですが、

瞬く間に人気の販促物となり、書店さんから注文が殺到してるのです(わかりますよ。だってかわいいもの)。

 

忙しい営業部のみんなが、仕事の合間に、

カラー粘土を調合してさくらこ色を出すところから仕上げまで、

まさかのオールハンドメイドで、さくらこ職人の技術と愛情を行き渡らせて、

一個一個手づくりしてくれているのです。

 

「ひびがはいらないように成型して、表面をなめらかに仕上げるのが難しいんだよね」(営業部談)とのこと。

 

さくらこさんったら、みんなにこんなに手をかけてもらって、幸せな子だことほんとうに。

できあがった立体さくらこさんは、1体1体ていねいに梱包されましてね・・・

 

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完成版。営業部のみんなの職人としての粋と、愛情が染み渡った仕上がり。

 

「たのしいこと なーんもないわ」なんて、

憎まれ口を叩いたり、ふてくされてねたりしながら、

各地の書店さんに運ばれて・・・

 

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ジュンク堂書店藤沢店でのさくらこさん。まあまあこんなに可愛がっていただいて。さくらこさん、よかったねえ。

  

その先でも、あちらこちらの書店員さんたちにこんなに可愛がられて、

大事にされているというわけです。

 

かわいくない子ほど、かわいがられる。

意地っ張りで、ざんねんな子ほど、かーわいい。

 

ついついえこひいきしたくなっちゃうくらい、

わがままで面倒くさい、さくらこさん。

どれだけわるいか、みなさなぜひ、書店さんでたしかめてみてくださいね。

 

見れば見るほど心惹かれる、販促用の立体さくらこさんを

ご所望の書店さんがいらしたら、ブロンズ新社営業部までご連絡くださいね。

(わたしもさくらこ職人に弟子入りして、つくり方、マスターしようと思います)。

 

編集部・沖本

 

 

【発表】第7回ブロンズ新社書店大賞!

【発表】第7回ブロンズ新社書店大賞!

 

児童書を愛し、出版界を盛り上げてくださる書店さんを応援する賞、ブロンズ新社書店大賞。
今年もたくさんのご応募、ありがとうございました。
このたび第7回となる本賞について、下記のように選考させていただきましたので、
発表いたします!


パッション部門
情熱をもって活動されている「人」や「グループ」にスポットをあて、表彰させていただく部門です。

 

◎パッション賞
絵本と童話 本の家、NPO時をつむぐ会
本の家は、1983年11月に群馬県高崎市にて創業。群馬県内唯一の子どもの本専門店。本の家の続木美和子氏が代表となり、1994年に、NPO時をつむぐ会を結成。 時をつむぐ会は、「絵本は子どもが出会う最初の文学であり芸術です」を合言葉に、絵本原画展の開催、子育て支援活動、絵本や児童文学の講座など、子どもの健やかな成長と地域文化向上・発展をめざした様々な活動を行っている。 

*絵本と童話 本の家

*NPO時をつむぐ会

 

【受賞のことば】
このたびは、すばらしい賞をいただき本当にありがとうございます。この賞に負けないように、これからも情熱を持って走りぬけていきたいと思います。
(続木美和子さん)

 

 

◎リスペクト賞
情熱を持って活動されている書店員さんへの尊敬や感謝の気持ちを表彰する、今回から新設した賞です。

 

ジュンク堂書店京都店 児童書ご担当 髙木須惠子さん 
第1回リスペクト賞ありがとうございます。長い間本屋で児童書担当にたずさわり、思いがけない受賞に喜んでおります。ひとえに、出会った出版社のかたがた、書店スタッフの引き立てがあってのこと、又、何よりも本を買って下さった読者のかたがたにもお礼を申したいと存じます。ありがとうございました。

 

久美堂小田急店 児童書ご担当 小川寛子さん 
このたびはとても素敵な賞をいただきまして、身に余る光栄です。この賞は私個人の力だけではなく、出版社様、お客様、そしてまわりのたくさんのかたがたのご協力によっていただけたものだと思っております。これからも初心を忘れず、精進してまいりますのでよろしくお願いいたします。本当にありがとうございました。

 

 

 

ディスプレイ部門
【グランプリ】
よしのや本間仙台愛子店
【特別賞】
宮脇書店神戸北店
未来屋書店イオンモール岡崎店
【入賞】(5店舗)
啓林堂書店奈良店、未来屋書店大垣店、本のよしのや ラ・セラ東バイパス店、TSUTAYA別府上人ヶ浜店、長崎次郎書店

 

◎グランプリ
よしのや本間仙台愛子店

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【受賞のことば】
夢にまで見たグランプを頂き、天にも昇る気持ちで、毎日ふわふわしております。これからもディスプレイを通して絵本の素晴らしさを伝えていきたいと思います。本当にありがとうございました。
(藤原美里さん)

 

この度は「グランプリ」という大きな賞を頂き大変嬉しく思っております。念願の「グランプリ」に感動しております。本当にありがとうございました。
(相馬由香さん)

 


◎特別賞
宮脇書店神戸北店

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【受賞のことば】
この度は素敵な賞をいただきありがとうございます。発売当初から大ファンの私が感じたくまのがっこうのすてきな世界を、お客様にお伝えできたらいいなぁと思い、一つ一つ心をこめて作りました。素敵な絵本との出会いは、人生を豊かにしてくれます。飾りつけを通して一人でも多くの方に絵本の素晴らしさをお伝えできるように、これからも頑張りたいと思います。
(前田昌代さん)

 

絵本が大好き! という子供たちが一人でも増えるように、これからも楽しい売場作りを目指して頑張りたいと思います。
(小西まゆみさん)

 


未来屋書店イオンモール岡崎店

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【受賞のことば】
大好きなペク・ヒナさんの大好きな作品で、初めていただいたディスプレイでの賞! 沢山のコメントで参加して下さったお子さん達と一緒に受賞させていただきます。
(長谷川直美さん)

 

◎入賞

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啓林堂書店奈良店         

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未来屋書店大垣店

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本のよしのや ラ・セラ東バイパス店        

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TSUTAYA別府上人ヶ浜店

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長崎次郎書店

 

 

 

ベストPOP部門
読者の心をつかむキャッチコピーや、愛情たっぷりの手描きイラスト。
書店員さんのアイディアがいっぱいつまった、渾身のPOPを賞する部門です。

 

【ベストPOP賞】
紀伊國屋書店横浜店
【POP賞】
ブックスノア
木村書店
ふたば書房草津近鉄
【入賞】
TSUTAYAサンリブきふね店、ブックポート203栗平店、明林堂書店南佐賀店、柏の葉蔦屋書店、宮脇書店志度

 


◎ベストPOP賞
紀伊國屋書店横浜店

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【受賞のことば】
ほとんど趣味レベルの仕事をこのように評価していただき、舞い上がっています! 調子に乗らず、これからも地道なPOP作成をしていきたいですが…でも…舞い上がります。
(花田優子さん)

 


◎POP賞
ブックスノア

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【受賞のことば】
大好きな絵本での受賞、とても嬉しいです。ありがとうございます。「書店でしか味わえない楽しみを。」とはじめた触れるPOPを評価していただき、幸せです!!
(今 麻実さん)

 


木村書店

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【受賞のことば】
素敵な賞をいただき、とても嬉しいです。今後も、お客様に楽しんでいただけるようなポップを沢山作っていきたいです!
(及川晴香さん)

 

 

ふたば書房草津近鉄

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【受賞のことば】
新刊としてこの絵本を見たときから、色々なことを考えさせられ、そして大好きな絵本でした。ロングセラーにしたいという思いで作り続けているPOPで、このような賞をいただけたことはとてもうれしく思います。これからも楽しい空間作りをしていきます。ありがとうございました。
(伊達早苗さん)

 


◎入賞

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TSUTAYAサンリブきふね店  

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ブックポート203栗平

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明林堂書店南佐賀店

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柏の葉蔦屋書店

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宮脇書店志度

 

 

 

ラブレター部門
小社から出版されている作品やその作家へラブレターを募集した、今回から新しく設立した部門です。

 

【ラブレター賞】
積文館書店ブックセンタークエスト門司大里店
紀伊國屋書店ららぽーと豊洲

 

【入賞】
金沢ビーンズ、喜久屋書店高岡店、明屋書店空港通店

 

 

◎ラブレター賞

だるまさんシリーズへのラブレター

積文館書店ブックセンタークエスト門司大里店 谷 静江さん)

実は応募しようかどうか、ギリギリまで迷っていたのですが、赤い箱のだるまさんのピースサインに背中を押され、「やっぱり挑戦してみよう!」と勢いだけで書き上げました。なので、まさか受賞の知らせに驚いてまだフワフワした気持ちでいます。選んでいただいて、本当にありがとうございました。


ヨシタケシンスケさんへのラブレター

紀伊國屋書店ららぽーと豊洲店 野沢恵美さん)

大賞に選んでいただきありがとうございます。POPを書いていると届かない手紙を書いているような気分になるのですが、今回想いが届きとても幸せです。これからもいろいろな好きを伝えていきたいと思います。本当にありがとうございました。

 

 

 

『さくらもちのさくらこさん』できました!

 

毎日さむい日がつづいていますね。

ブロンズ新社には、先日、ひと足先に

さくらもちのさくらこさん』が到着しました。

空気は一気に、春らんまん。

 

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元気いっぱいのさくらこさん(この直後すぐにやる気をなくす)。

 

岡田よしたかさんの最新作は、「たべものシリーズ」初の女の子が主人公。

 

だれる、キレる、あばれる、集団から外れる、

悪口をいう、いじける、ねむる、ふてくされる・・・

 

この初ヒロインがまあ・・・なーんとも厄介で、かわいい子なのです。

 

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ハンカチおとしの邪魔をして・・・

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ひとりぼっちでおいてかれ、ふてくされて悪口タイム。


わがやの5才の息子も、なかなかのさくらこ系。

おともだちがみんなで楽しそうに遊んでいると、急にふいっと輪をはずれ、

ひとりでどこかに行ってしまうことなどがよくあります。

「もっとうまいことやれ!」と、母親目線でもどかしく思うこともあるのですが、

よくよく考えると、あの感じは、自分が子どもだった頃にそっくり。

それにそもそも、うまくやる必要なんて、別にどこにもないのでした。

 

 いろいろざんねんなさくらこさんの様子に、

自分のことはすっかり棚にあげ、

「このさくらこさん、わるいよー!」なんて、

絵本を見ながら、5歳はクックと笑って大喜びしています。

 

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営業部Hさん渾身企画の販促用さくらこさん。ご希望の書店さんは営業部までご連絡を。

 

岡田さんの、のびのびおおらかな優しさと、

シュールな奇才っぷりが組み合わさった、岡田よしたか「たべものシリーズ」は、

他に類を見ない独特の世界観が魅力の絵本。

いちど読むと、中毒のようにくせになりますよ。

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さくらこさん、堂々たるヒロイン感!

 

あとすこししたら、桜もほころび、入園・入学シーズンがはじまります。

あたらしいことにうまくなじめず、やきもきする子も、あせる子も、

そわそわ見守る、おとうさんも、おかあさんも、まわりの大人のみなさんも、

とりあえずお茶を飲んで、さくらもちでも食べながら、

「さくらこさん、ひどすぎるー!」

なんて、気楽に盛り上がったりしたら、たのしいのではないでしょうか。

 

『さくらもちのさくらこさん』は、そろそろ書店さんに並ぶ頃です。

みなさま、さくらこの傍若無人っぷりを、ぜひ店頭で眺めてみて下さいね。

 

◎イベント情報

大阪府枚方の蔦屋書店で、刊行記念イベントを開催します。

岡田よしたかさんの読み聞かせ&サイン会。

2019年2月3日(日)13:30〜15:30(開場13:00〜)

くわしくはこちらから。

 

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さむいさむいとか言ってるうちに、桜の木もあっという間に満開になりますね。

 

 ◎おまけのはなし

岡田よしたかさんは、関西のご出身なので、さくらもちはつぶつぶ派。

関東出身のわたしは、生地であんこをくるりと巻いたクレープ派。

関西は餅米を使った「道明寺」、関東は小麦粉を使った「長命寺」って言うんですって。

さくらこさんの、なんともいえないいじましさを表現するには、断然、

ねっちょり感のある道明寺ですね。さらさら生地の長命寺は、どことなく、

聞き分けのいい優等生ガールって感じがしません?・・・しませんかね・・?

 

(編集部・沖本)

ペク・ヒナ×長谷川義史トークイベントレポート④

  1冊目の『天女銭湯』長谷川義史さんが翻訳することを

韓国の出版社「ベアブックス」に伝えたところ、本当に喜んでくださいました。

というのも、ベアブックスのウ編集長が、長谷川さんの絵本が大好きで

『おじいちゃんのおじいちゃんの おじいちゃんのおじいちゃん』(BL出版)を読んで、

「絵本でこんなことができるのか」と衝撃を受けたそうです。

そこから、自身の出版社を立ち上げられたと聞きました。

今日はペク・ヒナさんのほうからも、

絵本作家・長谷川義史に聞いてみたいことがたくさんあるそうで……。

 

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ペク・ヒナ 実のところ、とても緊張しています(笑)。

私の本のなかで、どの本が気にいっていらっしゃいますか?

感想もあわせてお伺いできると嬉しいです。

 

長谷川 最初に翻訳させていただいた『天女銭湯』、

ああいうユーモアのある世界が大好きです。

とてもいい作品に出会えたなと思って。思い出深い本です。

 

  ペク・ヒナさんが今回、韓国から自分の本を持ってこられて、

長谷川さんへサインをお願いされていたのは、

『てんごくのおとうちゃん』(講談社)ですよね。

最初読んだとき、号泣されたとか。

 

ペク・ヒナ この本は読むたびに泣いてしまいます。

長谷川先生は、ご自身の作品の中で一番好きな作品は何ですか?

 

長谷川 全部自分の作品ですから、できのいい子悪い子、

よく稼いでくる子……いい子に限って稼いでこなかったり(笑)。

「あんたが一番好きだよ」と言えないんですけど、

『てんごくのおとうちゃん』は、ものすごく大切な思い出を描いた作品です。

『おじいちゃんのおじいちゃんの おじいちゃんのおじいちゃん』は

初めて描いた絵本で、うまく描けなくて何度もやり直して

丸3年ほどかかった作品なので、思い入れは一番あるかもしれません。

 

ペク・ヒナ 『おじいちゃんのおじいちゃん〜』では、

過去について、人間の歴史について、驚くべき表現方法で語られていて、

こんな演出の仕方があるのかと驚かされました。

 

長谷川 10代の頃から、ずっと妄想していたことで、

どんな人でも生まれたときには必ずお父さんとお母さんがいて、

それは平等なことですよね。お父さんとお母さんにもお父さんとお母さんがいて、

たどっていくと大昔のおさるさんみたいなひとに必ずつながっている。

不思議なことやなー、気の遠くなることやなーと、ずっと思ってたんですよ。

だから、編集者に「どんな絵本をつくりたいですか」と聞かれて、

こんなことを考えていると提案しました。

ただ、自分の思っていることを絵で表現することがなかなかできなくて、

ものすごく苦労して、何度も描いては失敗を繰り返しました。

ペク・ヒナさんとなんとなく共通していると思うのですが、

いまって、一度描いた絵や作った立体をパソコンに入れて調整することって、

簡単にできることだと思うんです。でも、そういうことは絶対したくないと

ペク・ヒナさんおっしゃってて、ぼくも必ず絵の具と筆で描いていて、

失敗してもそういうのを大切にしたいと思っています。

だから1冊目は3年もかかったのですが……。

そういうアナログ的な感覚は、似てるかなと思ってます。

 

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ペク・ヒナ そう言っていただけて、光栄です。自作について言えば、

絵の完成度が高くても、ストーリーのほうで演出に欠けている本もあるのですが、

先生の作品は、デビュー作から私たちに衝撃を与えてくれます。

そのような演出力は、どうしたら身につくのでしょう?

演出力を身につけるための勉強方法があるのか、教えてほしいです。

 

長谷川 そんなアカデミックな勉強はしていないのですが……。

さっき控え室でお話していて、全くその通りやなと思ったのは、

絵本を1冊つくるのは映画をつくるのと一緒だと思うんです。

ペク・ヒナさんは、映画1本撮られている映画監督なんですね。

「主人公はこんな男の子にしようかな」というのは、キャスティングですし、

「その子がどんな動きをするのか」というのは演技指導、

「動きをどこから撮すか」というのはカメラワークの仕事です。

そういうことが、最初はなかなかできなかったのですが、

徐々にでしょうか。

 

  ペク・ヒナさんの描く家族は、たとえばソファにも現れていますね。

いい感じでくぼんでいて、たぶんシミもついていて……

その生活感を演出していて、すごいですねとお話したら、

 

「私はもうちょっとスタイリッシュな作家になりたいな」と言われた。

その答えに、長谷川さんも「わかる」とおっしやってましたね。

 

ペク・ヒナ 私が抱えているジレンマというのは、

すべて計算してつくっているというところです。

どんな素材か、どのようなスケールで撮影するか、

日取りも段取りもすべて最初から決めます。

スケッチがほぼファイナルに近いものですので、

逆に言うと、自分が予想した分しか出来上がってこない、

自分がつくる前に想像したものしか表現できていないのでは

と思ってしまいます。自分の手先にまかせた、自由な広がりに

たどり着いていないのではないかというジレンマを抱えています。

 

  そうなんですね。先ほど控え室で、ペク・ヒナさんが長谷川さんに

「人形絵本をつくってみませんか」とおっしゃっていましたね。

 

長谷川 ちょっとやってみたいですね。ぼくの思っている画面を、

背景は舞台の書き割りみたいなので、登場人物は紙でつくった平面のやつで

ええんですけど……それを写真に撮って表現したら、

また新しい自分の作品ができるんとちがうかなと考えたりはするのですが、うーん。

 

ペク・ヒナ よかったら、長谷川さんの世界を、私が人形にしてつくりましょうか。

完璧な長谷川世界を再現してみせる自身はありますよ(笑)。

 

  そんなことができたら、素晴らしいですね。ぜひトライしてみてください(笑)。

 

 

(広報 今井)

 

ペク・ヒナ×長谷川義史トークイベントレポート③

長谷川 ペク・ヒナさんに質問なのですが、『あめだま』を口にいれたときに

いろいろな声が聞こえてくるじゃないですか。

あれは韓国でそういう言い伝えみたいなものがあるのか、

それとも子どものときに感じられたのか……発想はどこから生まれたのですか?

 

ペク・ヒナ この絵本は、昔、テレビ局でアルバイトをしていたときに

考えたストーリーが、もとになっています。そのときは、

ペパーミントキャンディを食べると一気に耳がすっきりとして、

いろんな音が聞こえてくる……というイメージでした。

でも、心の声とか、ものの声が聞こえてきたら面白いのでは、

というアイディアから出発しています。

 

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  ドンドンのサイズにぴっりのこの椅子は、どのようにつくったのですか?

 

ペク・ヒナ もともと私は人形遊びが大好きで、

バービー人形の家具や服、小物を集めていました。

これは、バービー用のピンク色のテーブルセットの椅子に

ペンキをぬってしつらえたものです。

ドンドンにはサイズが少し大きいので、

おしりの下に厚めのものを敷いた状態で撮影しています。

 

  バービーのミニチュアにあわせて、人形のサイズを決めたのですか?

 

ペク・ヒナ そうだったような気もするし、そうでなかった気もします。

家の作業場で撮影を行っているので、空間の制約があります。

あまり小さすぎるとディテールを表現しきれない、

大きくしすぎると作業場におさまりきらなくなる。

一番適したサイズを探した結果なのかもしれません。

この食卓は、バービー人形の1960年代のビンテージ家具で、

入手困難品ものをネットで購入しました。

私が子どもの頃、家にあった食卓にそっくりで、

私自身ドンドンのようにテーブルの下にもぐって

ガムをくっつけていた記憶があったので、この家具を使ったんです(笑)。

 

  ここまでディテールにこだわってつくっているのはすごいですね。

 

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ペク・ヒナ ありがとうございます。

でも、本を読み返すたびに、「こうすればよかったな」と

後悔がこみ上げてきて、頭が痛くなります(笑)。

さっきも久しぶりに『あめだま』を見て、

台所シーンでは、父親の手から泡が落ちているような感じで

表現すればよかったなと思いました。

 

  なるほど。どうしてそこまでこだわれるのでしょうか?

 

ペク・ヒナ  絵よりも立体で表現された写真というのは、

現実に近いリアリティがありますよね。ヘタをすると、

単なるセットで撮った写真という印象を与えかねません。

 

風やお天気の雰囲気などをよりリアルに表現しないと、

嘘っぽくなってしまいます。だからこそ、

細かな部分というのは絶対に欠かせない大切な要素です。

 

長谷川 「お父さんのここに泡があったほうがいい」というのは、

絵を描く立場からすると、その泡だけで何かを語ると思うんですよ。

お話のなかの、見えないバックグラウンドが見えてきますよね。

『あめだま』では、「お母さんが出てこない」という設定を

綿密に設定されていると思うのですが、いかがですか。

 

ペク・ヒナ はい、おっしゃる通りです。

私のデビュー作『ふわふわくもパン』では、

お父さん、お母さん、お姉さん、弟がいるという、

ある意味完璧な理想の家族が登場します。

ストーリー上そうなってしまったのですが、

発売後とても申し訳ない気持ちになりました。

もし、私が子どもを育てているシングルマザーだったら、

子どもにこの本の読みきかせをしたとき、

すごく胸が痛むのではないかなと。

子どもの立場からすると、「自分の家族は完璧ではないのではないか」と

傷ついてしまうかもしれないと感じたからです。

そのため、父親や母親がいなくても、また血縁で結ばれていなくても、

ひとつ屋根の下で暮らし、お互いに愛しあい、

頼りあう絆を持った関係であれば、

それは完璧な家族ではないかということを表現したいと思いました。

『あめだま』には、母親がどこにいるのか具体的に描かれていません。

亡くなっているのかもしれないし、離婚したかもしれない、

出張に行っているのかもしれないですが、それはわかりません。

 

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そのあたりは、読者のみなさんの状況に置き換えて、

自分なりの解釈をしてほしいという願いがあります。

 

(つづく)